Python初心者のリアルな最初の壁と、それを越えたときの小さな感動
Flaskって、簡単そうだったんですよ。
Pythonをちょっと触れるようになってきた頃。
「Flaskっていう軽量なWebフレームワークなら、簡単にWebアプリが作れるらしい」
そんな情報を目にして、胸が高鳴った。
「えっ、自分のPCの中にサーバーが立ち上がるの?ブラウザに“こんにちは”って出せるの?」
ワクワクしながら、Flaskのチュートリアルを開く。
「まずは仮想環境を作りましょう」
はい、出ました。仮想環境――なんですかそれ。
“venv”ってなに?初見殺しすぎる
チュートリアルにはこう書いてある。
python -m venv venv
source venv/bin/activate
……と書いてあるんだけど、実はこれはMacやLinux向けのコマンド。
僕が使っているのはWindowsだったので、同じように打っても「そんなファイルないよ」と言われてしまった。
Windowsなら、こう打つのが正解だった。
venv\Scripts\activate
これに気づくまでに、小一時間はかかっていたと思う(笑)
やっぱり最初って、コマンド一つで心が折れそうになるよね…。
venv
って2回出てきてるけど何の意味?source
って何?MacとWindowsで違うってどういうこと?bin/activate
って、そんなフォルダどこにあるの?
気づいたら、Flaskを試すどころか、仮想環境という深い森に迷い込んでいた。
沼から抜けるヒントは「作業机」だった
あちこちの解説を読んでも、まだモヤモヤする。
でも、あるときふと思った。
「これは“自分専用の作業机”を用意するようなものかも?」
他のプロジェクトやツールと混ざらないように、きちんと分けて置く場所。
学校や職場でも、使った道具は元の棚に戻すようにするでしょう?
このイメージが頭に浮かんでから、ようやくvenv
の意味がストンと腑に落ちた。
仮想環境は「Pythonの道具箱」。自分専用。安全に使える。
📎 補足:仮想環境の詳しい使い方はこちら
👉 仮想環境とは?Python初心者が最初に越える壁
Flaskが「こんにちは」と言ってくれた
なんとか仮想環境をつくり、Flaskをインストール。
チュートリアル通りに app.py
を書いて実行してみる。
from flask import Flask
app = Flask(__name__)
@app.route('/')
def hello():
return 'こんにちは、Flask!'
if __name__ == '__main__':
app.run()
ターミナルに * Running on http://127.0.0.1:5000
と表示された。
ドキドキしながら、ブラウザにそのURLを打ち込む。
…出た。
「こんにちは、Flask!」
その文字が画面に表示された瞬間、思わず「うおっ」と声が出た。
たった数行のコードなのに、そこには確かに自分が作ったWebページがあった。
自分のPCの中に、小さなサーバーが生まれた瞬間。
ちょっとした魔法を使った気分だった。
Flaskで遊びたくなってきた
「こんにちは」と言ってくれただけで、僕の中で何かが動き始めた。
「じゃあ、もっとページを増やしてみたら?」
「プロフィールページとか作れそう」
そんなアイデアが次々に浮かんでくる。
Flaskのコードに少しだけ手を加えて、こんな感じにしてみた。
@app.route('/about')
def about():
return 'これは私の紹介ページです。'
再読み込みして、http://localhost:5000/about
を開くと――
おぉ、ページがちゃんと分かれてる!
ちょっとだけHTMLも使ってみた
文字だけじゃ味気ないなと思って、HTMLも書いてみた。
Flaskは「Jinja2」というテンプレートエンジンが使える。
from flask import render_template
@app.route('/')
def hello():
return render_template('hello.html')
そして、templates/hello.html
を作成。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>ようこそ!</title>
</head>
<body>
<h1>こんにちは、Flask!</h1>
<p>これはテンプレートから表示しています。</p>
</body>
</html>
「うわ、ほんとにWebページっぽい…!」
PythonのコードとHTMLがちゃんと連携して動いてる。この時点でちょっと感動していた。
Flaskって、想像よりずっと近い存在だった
数日前の僕は、仮想環境でつまずき、Flaskが遠い存在に感じていた。
でも今は、「自分にもできる」って思える。
- サーバーが自分のPCで動いている
- ページが増やせる
- HTMLで自由に見た目も変えられる
たったこれだけのことが、どうしてこんなに嬉しいんだろう。
“プログラミングって、ほんのちょっとで世界が変わる”――そんな気持ちになった。
あのとき、挫折しなくて本当によかった
仮想環境で心が折れかけた自分に、今ならこう言いたい。
「大丈夫。3日後にはFlaskが“こんにちは”って言ってくれるから。」
できない時間も、無駄じゃなかった。
あの迷いがあったからこそ、今この「小さな成功」がちゃんと嬉しい。
これからFlaskを始めるあなたへ
Flaskは、PythonでWebアプリを作るためのとてもシンプルで優しいフレームワークです。
でも、その前にある「仮想環境」は、思っている以上にハードルが高いかもしれません。
だからこそ、僕のように迷ったりつまずいたりしても、それは「普通のこと」なんです。
あきらめなくて大丈夫です。
📎 ▶ 仮想環境でつまずいた方は、こちらの記事を読んでみてください
👉 仮想環境とは?Python初心者が最初に越える壁
✨まとめ:Flaskは、やさしい最初の一歩。
Pythonを少し書けるようになったあなたにとって、Flaskはちょうどいい次のステップです。
仮想環境さえ越えられれば、その先には「自分だけのWeb」が待っています。
大げさかもしれないけれど、
「自分のPCの中に、自分だけの世界がある」
この感覚が、すごく嬉しかったんです。
✅ 次回予告:Flask日記・第2話
「フォームからメッセージを送ってみたら、もっとWebっぽくなった件」
HTMLフォームとFlaskの連携にチャレンジします!