Pythonを勉強しようと思って、本を開いたり、動画を見たり、環境を整えようとしたのに──
なぜか「書く前」で止まっていませんか。
- venv
- pip
- 環境構築
言葉は見かけるけれど、正直よく分からないまま進んでいる。
それ、あなただけじゃありません。私も同じ場所で、しばらく立ち止まっていました。
Pythonが難しいというより、最初の入口が、少し不親切なんだと思います。
この記事は、その入口でうろうろしている人に向けて書いています。
なぜ、Pythonの入口で迷ってしまうのか
Pythonを始めるとき、多くの人が「同じ場所」で立ち止まります。
それは、コードを書く前に、準備が多すぎるからです。
- Pythonを入れる
- 仮想環境を作る
- ライブラリを入れる
どれも必要なことなのですが、最初からすべてを理解しようとすると、一気に難しく感じてしまいます。
分からないのに、分かったふりをして進んでしまう
pip や venv という言葉を、説明されたことがある人も多いと思います。
でも正直に言うと、
「完全には分かっていないけど、
とりあえず言われた通りにやっている」
そんな状態になりがちです。
私もそうでした。
それでも進めばいいのですが、少し環境が変わっただけで、
- エラーが出る
- 昨日は動いたのに今日は動かない
- どこで何をしたか分からない
という状態になります。
ここで多くの人が、「自分の理解が足りないのかな」と思ってしまいます。
でも、原因はそこじゃありません
入口で迷ってしまう理由は、あなたの理解力や努力不足ではありません。
Pythonの環境構築は、
- 仕組みを知っている人向けに書かれている
- 経験者には当たり前のことが省略されている
そんな説明が多いのが現実です。
だから、
初心者が迷うのは、
ある意味「自然なこと」
だと思っています。
入口のつまずきを、少しだけ減らしてくれる選択肢
もし、環境構築でまた止まりそうだと感じたら
Pythonを始めるとき、「準備がうまくいかない」だけで手が止まってしまうことがあります。
そういうときは、最初からPythonが動く場所を用意してしまうのも一つの方法です。
私は学習用や検証用では、日本語で管理できる ConoHa VPSを使うことも多いです。
「こういう選択肢もあるんだな」と、頭の片隅に置いておくだけでも、少し楽になります。
正直に言うと、私は「新しいツールを探していた」わけではありません。
ただ、
もう少しだけ、
始めるまでのハードルを下げられないかな
そう思って調べている中で、uv というツールを知りました。
最初は、私もよく分かりませんでした
名前を見たときの第一印象は、
「また新しいやつか…」
正直、そんな感じです。
説明を読んでも、
- 高速
- 依存関係
- 仮想環境
といった言葉が並んでいて、初心者向けとは言いづらい印象でした。
なので、「ちゃんと理解してから使おう」とはしませんでした。
ただ、やっていることは意外とシンプルでした
実際に触ってみて分かったのは、uvがやっているのは、とても地味なことだという点です。
- 仮想環境を作る
- ライブラリを入れる
- 実行環境を間違えないようにする
こうした毎回つまずきやすい作業を、まとめて引き受けてくれる。
それだけでした。
uvを使うと、何がどう変わるのか(体験だけ)
ここでは、uvの仕組みや用語は説明しません。
「何が起きるか」だけを見てみます。
① プロジェクトを始める
まずは、作業用のフォルダを作ります。
そのフォルダを右クリックして、PowerShellを開きます。
ここが大事です。
フォルダ = プロジェクト
PowerShell = その中で作業する場所
その状態で、次を打ちます。
uv init
これは、
「このフォルダを、Pythonプロジェクトとして使います」
という宣言です。
② 使いたいものを伝える
uv add flask
ここでやっているのは、
「Flaskを使いたいです」と伝えているだけ
venvを作ったり、pipを意識したりする必要はありません。
③ 実行する
uv run python app.py
この一行で、
- 正しい仮想環境が選ばれ
- 必要なものがそろった状態で
- プログラムが実行されます
これだけで、実行できます
ここまでで、
- 仮想環境を作っていない
- 有効化もしていない
- pipも打っていない
それでも、Pythonプログラムはちゃんと動きます。
「動いた」その先へ進みたい人へ
ここまで来て、「動いた」「少し分かった」という感覚があれば、それで十分です。
もしこの先、小さなアプリを外から見える形で動かしてみたいなら、動かし続けられる場所を用意しておくと、学習はぐっと楽しくなります。
ローカルで試したものを、そのまま公開できる環境として、私は ConoHa VPS を使っています。
フォルダの中で、実際に何が起きているのか
uv init を打っても、フォルダの中に「何かすごいもの」が増えるわけではありません。
uv-playground/
pyproject.toml
たった1つ、「このフォルダはPythonプロジェクトです」という印が付くだけです。
uv add を打つと、裏側で何が起きる?
見える変化は、ほとんどありません。
フォルダは静かなままです。
その代わり、裏側で uv が:
- 仮想環境を用意し
- Flaskと必要な部品をそろえ
- このプロジェクト専用に保存
しています。
変わるのは「裏側」だけ
だから、フォルダは散らからず、壊れません。
仮想環境はどこにあるの?(見なくてもいい理由)
仮想環境は、ちゃんと作られています。
ただし、
人が触らなくていい場所
間違えない場所
に置かれています。
見なくても困らないのは、
- uvが毎回、正しい環境を選んでくれる
- activateを忘れる事故が起きない
からです。
仮想環境は消えたのではなく、
人が迷わない場所に移動しただけです。
uv run を打つと、何がどこで動くのか
uv run python app.py
これは、
このプロジェクト専用のPythonで、
このコマンドを実行して
という意味です。
activateしていなくても、仮想環境の中で実行されています。
グローバル環境が使われることはありません。
pip や venv を勉強してきた人へ
pip や venv を勉強してきた時間は、無駄になりません。
uvは、
- それらを消すのではなく
- 裏側に回してくれる
だけです。
むしろ、
pip や venv を知っている人ほど、
uvが「何を肩代わりしているか」が分かります。
「ちゃんと理解しながら進みたい」と思ったら
uvを使って一歩進めたあと、「この先は、腰を据えて学びたいな」と思うこともあるかもしれません。
そういうときは、一冊だけ、手を動かす前提で書かれた本があると助けになります。
私自身は、Python実践入門 のような実務目線で書かれた本を選ぶことが多いです。
まとめ|入口で立ち止まっていた人へ|まず動けば、それでいい
Pythonが難しいわけではありません。
難しいのは、最初の入口です。
uvは正解ではありません。
ただの選択肢です。
それでも、
- 環境構築で疲れてしまった人
- 何度も同じところで止まった人
にとっては、一歩前に進む助けになるかもしれません。
入口でうろうろしている時間は、
決して遠回りではありません。
今は、一歩だけ進めば十分です。
もしよければ、空のフォルダを1つ作って、この記事の通りに、ゆっくり試してみてください。
うまくいかなくても大丈夫です。
その時点で、あなたはもう「始めている」ので。
